座ってのんびり庭園が眺められる:
智積院は、京阪七条駅で下り、右手に三十三間堂、左手に京都国立博物館を見ながら進むと突き当りにあります。
この通りは観光客が多いのですが、智積院へ入ると人もまばらになり、とても落ち着けるんです。
拝観料は500円。
名勝庭園以外のお庭は、拝観料なしで見ることが出来ます。
智積院の概要
真言宗智山派の総本山です。
元々智積院は、真言宗を学ぶ学問所として興された根来寺の塔頭でした。
ところが豊臣秀吉の根来攻めによって、一山まるごと焼き払われてしまいます。
智積院の住職であった玄宥は、命からがら逃げ、復興を目指します。
その後、豊臣家の滅亡に伴い智積院が復興。
徳川家康は祥雲寺(秀吉の息子鶴松を弔うための寺)を玄宥に与え、現在に至ります。
智積院 国宝障壁画
収蔵庫には長谷川等伯一派の絵画が並んでいて、狭いながらも見応えがあります。
その中でも圧巻なのは、長谷川等伯の息子である久蔵が、25才の時に描いた『桜図』。
八重の花びらはなんと、貝を粉にしたものを塗り重ねながら描いているそうで、400年以上経った今もなお、桜が咲き誇っているかのよう。
当時はその厚みが1㎝程もあり、月夜には花びらがフワッと浮き上がって見えたんだそうです。
なんて幻想的なのーー。
ところが久蔵は『桜図』を描き終えてすぐに亡くなります。26才でした。
これほどの才能を持つ跡継ぎを、早くに亡くした等伯の悲しみは如何ほどだったでしょう。
翌年、哀悼の意を込めて『楓図』を描き上げました。
智積院の収蔵庫には『桜図』と『楓図』が対で飾られています。
それ以外の国宝障壁画も見応えあり。
『松に秋草図』は福山雅治さん出演のアサヒビールのCMで使用されたそうです。
国宝の障壁画と国宝級の顔面、合うわ。
智積院の庭園
50畳ほどあるでしょうか、広い大書院からゆったりと枯山水庭園が眺められます。
庭園は中国の廬山を模し、そして足元すぐにまで広がる池は長江をなぞらえているのだそう。
たくさんの刈込と自然石が迫りくるような斜面には、滝が流れダイナミックな印象。
『利休好みの庭園』と伝えられているそうです。
バシバシと滝が流れる力強い音のなか、時折、長閑な鳥のさえずりが聞こえてきて癒されました。
大書院手前の壁一面には、長谷川等伯の『楓図』と長谷川久蔵の『桜図』が描かれてるんですが…
先ほど拝見した国宝とあまりにも違いすぎて…
ちょっと感動が薄れる気がします。汗
智積院の詳細情報
拝観時間 | 9:00~16:00 |
拝観休止日 | なし |
拝観料 | 500円 |
アクセス | 京阪電車《七条駅》徒歩約10分 |
住所 | 京都府京都市東山区東瓦町964番地 |
お問い合わせ | 075-541-5361 |
公式サイト | https://www.chisan.or.jp/ |