やっと録画していたパラサイトを観ました!
アカデミー賞4冠・カンヌ映画祭最高賞にも輝いた、言わずもがなの大ヒット映画です。
半地下に住んでいて、家族全員が無職のキム家。
高台に住んでいて、大金持ちのパク家。
見事だなーと感動したのは、格差の表現手法でした。
貧困層と富裕層、二つの家族の隔たりを「感覚」で描き出していて
それらの感覚が重なるたびに、ただの格差ではなく息苦しいほどの断絶だと感じてしまうのです。
韓国版のポスターに「幸せは分け合うほど大きくなるじゃないですか」と書かれていたことから、
最初はモノやお金といった物質的なシェアから始まり、やがて心の中にまで侵食して、キム一家がいないとパク家は生きていけないほどに支配される…。
そんなストーリーだと勝手に想像してたので、全然違うやないかーい!って心の中で叫びました(笑)
そんな私が気になったのは、やっぱり中年女性たち。
とくにキム家母の変わりようが興味深かったです。
パラサイトのおばさん考察
裕福なパク家の奥さんは、あどけない少女のような人。
家族写真の娘の顔が現在とは違うので、奥さんもカンナム美人ということでしょうか。
一切の派手さはなくナチュラルで、雰囲気に似合った品の良い服を着ていました。
対するキム家のお母さんは、ゆるんだ身体にボサボサの髪。
とにかくだらしない雰囲気が漂う「おばさん」でした。
怖いのは、パク家妻のようになるには努力が必要だけど
キム家母には油断したら簡単になってしまいそうなことなんです!
パラサイトはそれぞれのキャラクターも緻密に計算されているなあと感じるので
言うなればキム家のお母さんは、ポンジュノ監督が創り出した完全無欠のおばさん。
なので、この例を参考にアレコレ考えてみました。
オバサンに見えるファッション
中途半端に開いた丸襟
これ、すごく気になりました。
中年になると中途半端な空きぐあいの「丸襟」って危険な気がするんです。
おばさん度を強調させるというか。ナゼなんだろう。
Vネックやボートネック、丸襟だともう少し詰まったクルーネックがベストなのでしょうか。
ちなみに、中途半端な丸襟を着てたのはキム家母だけで
パク家妻は、襟が詰まったものか広めに開いたVラインのトップスが多かったです。
謎の柄
あれって何だろう?
謎の柄。
上のポスターでもキム家母が着てますが、ボーダーとかチェックとか一般的な「何々柄」に属さない、ボタニカルちっくな謎の柄。
確かに商店街にある中年女性専門の服屋さんで見る気がします。謎の柄。
胸が外向き
家でくつろぐシーンが多かったこともありますが
キム家母は胸が外方向に間延びしてるんですーーー( ;∀;)
これで一気に「ダメおやじの奥さんみ」が増します。
ダメおやじご存知でしょうか。昭和の漫画です。
だんだんと締め付ける下着が苦手になってきますが、内側に収めるよう気を付けなくては。
ぞんざいな髪
キム家母はのび放題の髪を無造作にくくってたんですが
パク家へ行く際、髪を切って艶がでてました。
これで一気にズボラ感が軽減してたように思います。
品よく見えるファッション
まだまだ言いたいことは沢山あるんですが最後に少しだけ。
エンディングでお金持ちになったキム家が出てきます。
キム家母は遠くにチラッと映るだけなんですが、その一瞬でも裕福になったことが分かるんです。
これって、鮮やかなロイヤルブルーのストールが豊かに見せてるんだろうか。
もちろん高級ブランドを纏ってるんでしょうけど、小さすぎて質感までは感じ取れない中
その道のプロたちが熟考を重ねた色使いのはず。
ずっと黒・グレー・白ばかり着てきましたが
中年女性を美しく見せてくれる色バランス、というのがあるのですね。
遅ればせながら気付かせてもらいました。
パラサイトを観た一番の収穫かもです(笑)